実績・事例

金融機関対応事例集

『新・税理士』活用事例集

金融機関対応事例集

融資事例(資金繰り円滑化サービスの活用による中小企業に特化した財務戦略)

深田税理士事務所の新しいサービス、「資金繰り円滑化サービス」を実例にて紹介します。

◆お取引開始の経緯
現在P社を経営するM社長が来所され、会社の設立及び税務顧問の相談がありました。
通常の企業様同様、当初は一般的な税務顧問サービスにて取引を開始しました。

◆資金繰り円滑化サービスの導入
設立から半年が経過した頃、M社長より「R銀行に手形割引を申し込んだが、試算表と資金繰り表を毎月提出することが条件と言われている。財務金融に関しては全くの素人であるため、そちらで作成をお願い出来ないか。」との依頼がありました。
資金繰り表の作成や銀行対応等の財務業務は、税務とは全く別の業務であり、無料で片手間に行うことは、双方にとって不利益となることを説明、新たに資金繰り円滑化サービスを月額4万円にて導入いただきました。

資金繰り円滑化サービスとは、関与先の財務部長として資金管理を行い、付随して資料の作成や銀行対応を行うサービスです。

◆初年度
無事にR銀行の手形割引が開始されました。その後、R銀行の要望通り、6ヶ月から1年先の資金繰り計画を毎月継続して報告しました。月商が3,000万円程度まで増加し、割引残高も1億円を超えましたが、R銀行との円滑な関係が築けていましたので、問題無く手形割引枠を拡大することができました。
M社長は、「銀行向けの資料を毎月作成する手間を省くことが出来るので助かっている。」と喜んでくださいました。

◆2年目
初年度の決算は、売上高が約3億円、利益も数百万円出すことができました。2期目の半年が経過した頃、I銀行より保証協会保証付き融資の提案がありました。業績は順調に推移しており、資金面の不安はありませんでしたが、融資を受け入れるよう社長様に提言しました。理由は「新設企業であり、いつ売上が激減するかわからない。」「将来のために保証協会の利用実績を作っておきたい。」「複数行と融資のお付き合いをすることで、銀行同士が切磋琢磨してくれる。」からです。M社長も方針を理解し、将来の倒産回避資金として1,000万円の融資を受け入れました。その後、K信用金庫からも融資の提案がありましたが、さすがに資金がだぶついていたため、500万円だけ融資を受け入れました。
M社長は、「急に売上が無くなるかもしれないという不安が常にあったが、キャッシュポジションを高く取ることにより将来の不安が少し解消した。」と喜んでくださいました。

◆3年目
2年目の決算は、売上高が約4億円、利益も増益となりました。申告を終えて決算書を銀行に提出したところ、R銀行が保証協会の保証付き融資7,000万円の提案を持ってきました。金利は0.5%で保証料とあわせても1%強です。割引をやめてこちらの資金を使えば、支払利息が年間100万円以上も得をします。もちろん割引の枠はそのままですので、いざというときには手形割引で資金を調達することも出来ます。ただ、保証協会の無担保限度枠8,000万円を使い切る提案でしたので、その後のプロパー取引を考え、I銀行に1,000万円を同条件で受けて頂き、R銀行には6,000万円をお願いすることにしました。M社長は、「設立して2年しか経っていないうちみたいな会社が、なぜ8,000万円も融資を受けられるのか?なぜR銀行は自行が100万円以上も損をする提案を持ってきたのか?」と驚いておられました。
現在P社は理想的な財務戦略を描けています。最大の要因はM社長の営業努力にありますが、M社長は「私が営業に専念出来るのは、苦手な財務金融分野を割り切って専門家にお任せしているからだ。」と評価してくださいます。

  • なぜ今必要のない資金を借りたのか?
  • なぜ都銀、地銀、信金の複数行から融資を受けたのか?
  • なぜ7,000万円の全額を都銀から受けなかったのか?
  • なぜ一度も金利交渉をすることなく、R銀行が勝手に年間100万円以上も金利を下げる提案を持ってきたのか?

財務の教科書には載っていない中小企業が実践すべき戦略があります。
当税理士事務所の新しいサービス「資金繰り円滑化サービス」をご活用ください。


▶『資金調達事例(財務部長代行サービス)』

営業が深夜に及ぶ飲食店経営者にとって、新店舗出店に伴う銀行対応は非常に大変です。
個人事業主として飲食店を経営するW氏が、2店舗目出店資金1,200万円を調達した事例をご紹介します。

◆関与先様の概要
事業主名:W氏
業種:飲食店経営
業歴:創業4年目
直近年商:1,800万円

◆ご相談の経緯
当事務所の関与先であるW氏より、「2店舗目の出店を考えているが、毎日深夜まで現場に入っており、銀行対応の時間が取れないので資金調達のサポートをお願いしたい。」との依頼がありました。

◆必要調達金額の算出
W氏が想定している出店費用と、必要と思われる運転資金の額、可能と思われる借入額をすり合わせていき、備品を含む設備投資金額が1,300万円、運転資金が300万円、計1,600万円の投資計画を立てました。調達は自己資金が400万円、金融機関からの必要借入額は1,200万円です。

◆調達スキームの選定
W氏の直近年商は1,800万円です。新店舗出店資金とはいえ、1,200万円の借入は若干重たいと感じます。よって、1行からの調達ではなく2行に分けて調達をすることにしました。協調融資です。


◆開業計画書の作成

W氏と打ち合わせた内容を基に開業計画書を作成しました。事業主の概要に始まり、投資及び調達の計画、資金繰り計画等、金融機関の審査ポイントを押さえた計画書です。


◆調達先の選定

今回は協調融資ですので、当事務所が日ごろから懇意にしている日本政策金融公庫とA信用金庫に相談することにしました。
日本政策金融公庫と信用金庫の担当者、及び当事務所にて合同ミーティングを行い、日本政策金融公庫が900万円、A信用金庫300万円の融資を検討するという方向性が決まりました。


◆最終結果は、

ミーティングで取り決めたとおり、日本政策金融公庫で900万円、A信用金庫で300万円、合計1,200万円の資金調達が出来ました。W氏からは、「金額がやや大きかったので心配していたのですが、やはりプロですね。2行を巻き込んで協調で融資を受けるというアイデアは私にはありません。1行に申し込んで融資額を減額されていたら、投資計画から変更しないといけないところでした。
また、銀行対応の殆どを引き受けて頂いたので、私は店舗営業に専念することができました。」とおっしゃって頂きました。
当事務所の財務コンサルティングサービスは、このように貴社の財務部長を代行するサービスです。
本当は中小企業こそ財務部長がいると重宝します。お気軽にお問合せください。


▶ 何度か断られた企業の融資事例

工期が数か月に渡る建設業等の業種は、正確な売上と原価を掴むのが難しいため、本当の利益が分かりにくい業種です。
決算書上では黒字の企業が、突然倒産することもあるため、金融機関は建設業等をより保守的に審査します。
今回は、融資審査を何度か断られた実質3期目の施工管理会社が、日本政策金融公庫より1,000万円の不動産担保付融資を受けられた事例をご紹介します。

◆お客様の概要
会社名:S社
業種:施工管理
直近(第3期)年商:3,800万円
直近(第3期)営業利益:140万円
資本金:500万円

◆ご相談の内容
会社を設立してからこれまで、何度か日本政策金融公庫と信用保証協会に融資のお願いをしているが、全く取り合ってもらえないとの相談です。第3期(第1期は数日だけですので実質は第2期)の決算では黒字になりましたが、それでも相手にしてもらえないとのことです。


◆深田税理士事務所での対応

社長様は長年勤めていた企業を定年退職後、S社を設立しました。社長様もご自身で認識しておられますが、これまでのキャリアで会計に縁が無かったため決算書が全く読めません。よって決算内容についてこちらがお聞きしたいことに対して、明確な回答が得られない状況です。
これでは決算書通り、本当に利益がどうかが分かりませんので、弊社で会計資料を紐解き、案件別の請負金額と工期、請求時期を表にまとめました。これにより、第3期決算数値の正確性を補完するとともに、将来の資金繰り見込みが分かります。

他資料とあわせて日本政策金融公庫におつなぎしたところ、「経理状況に不安があり、お断りした経緯があるが、税理士事務所がその点をしっかりとフォローするのであれば検討します。」とおっしゃって頂き、最終的に1,000万円の融資を受けることができました。
S社のように、本来は融資を受けられる財務状況を有しているが、資料や説明の不足により、「良くわからない」という理由で融資を断られているケースが多く見られます。

貸し手である金融機関は根気強くヒアリングをしてくれませんので、借り手である企業側が説明資料等を作成し、分かりやすく貸し手に伝える努力をする必要があります。
業績は悪くないが、なぜか資金調達が上手くいかないと感じておられる経営者様は、その辺りに原因があるかもしれません。

当事務所にて、金融機関に提出する資料の作成をお手伝いします。
ご相談ください。

▶ 資金調達がうまくいかない事例(銀行との折衝現場で起きている間違った対応)

◆深田税理士事務所のサービスでは、
企業の成長を目的とした「資金シミュレーションと資金調達サポート」を積極的に行っておりますが、「銀行から融資を断られた」といった後ろ向きのご相談を受ける機会も少なくありません。
ご相談に来られた企業様を見てみると、本来は資金調達が可能な財務内容であるにも関わらず、融資を断られているケースが見受けられます。融資を断られてしまう理由を実際の相談事例に基づいて解説します。

◆質問に対して的確な回答が出来ていないケース
運転資金を調達したい場面で、業績の見込みについてヒアリングを受けた時に「将来的には○○の事業にも参入して…」等、随分と先の事業プランを説明してしまうことがあります。
将来性の高さを訴えたいことは分かりますが、具体的でない事業プランは雑談の域を出ません。
銀行員が求めているのは、「借りた資金を現業でどのように返済していくのか」という現実的な回答です。

◆裏付けの無い説明をしてしまうケース
社長ですから頭の中に大きな構想があるのは良い事ですが、裏付けの無い構想を口頭で長々と説明するのは得策ではありません。
事業に対する情熱のあらわれかと思いますが、銀行員は裏付けの無い話を好みません。

◆余計な説明を加えてしまうケース
一通りの説明をうかがった後に、「実はこの会社は社員に早く譲りたいと考えています。私が本当にやりたい事業は…」と言う説明を受けたことがあります。
「ワンマンではなくパブリックな経営を目指している」ことを伝えたいのでしょうが、設立してまだ数年の会社です。自分の会社に対する責任や愛着が無いように映ります。
銀行員の立場からすると「この社長に融資をしたい」というモチベーションが湧きません。不用意な説明は相手を困惑させるだけです。

◆銀行の常識を理解していないケース
個人事業主として数年やっておられた方が法人にするときには、個人の事業資産や負債を法人が引き継ぐ「法人なり」が一般的です。
同じ業種であるのに、個人の資産や負債を引き継がない「新会社」は違和感があります。本人は、特に深い意味がある訳では無さそうですが、銀行の常識で考えると「何か裏があるのでは」となります。銀行の常識に逸脱しておりますので、そこには何らかの説明が必要になります。

◆会計を複雑にしているケース
銀行員が最も嫌うのは「良くわからない」会社です。代表的なのは会社を複数に分けているケースです。
会社が複数あるとグループ全体で利益が出ているのかどうかが分かりにくくなりますので、合算バランスシートなどの補助資料が必要になります。銀行員の立場からすると、分析に手間のかかる複雑な企業よりも、シンプルな会社の方が良いに決まっています。本当に融資を受けたいのであれば、企業側が手間をかけて補助資料を作成する必要があります。
本来受けられるはずの融資が断られる理由は、些細な説明ミスや資料不足です。
銀行の常識や考え方を良く理解し、間違った対応をしないよう心がけましょう。

▶ 財務無策が招いた資金繰り悪化事例! …財務に関する適切な対処はできていますか?

資金調達のご相談の中には、「もう少し早くご相談して頂ければ…」というものが多くあります。
適切な対処をしていれば、そもそも問題すら起きなかったであろう事案です。今回は、財務無策が招いた資金繰り悪化の事例をご紹介します。

◆財務無策とは
財務活動には、「キャッシュフロー管理(資金繰り管理)」「ファイナンス(資金調達)」
「資産運用」の3つの活動があります。中小企業は資金力に乏しいため、特に、「キャッシュフロー管理」と「ファイナンス活動」が重要です。
しかしながら、知識とスキルの不足により、財務活動に対して無策である中小企業様が多く見られます。

◆財務無策が招いた資金繰り悪化事例

【事例1】:余裕資金を持たずに経営を行っているケース 

商売がそれなりに順調で、毎月の資金繰りも何とか回っているため、資金の調達を怠っている企業様が多くおられます。
「不測の事態により売上が減少し、慌てて銀行に融資を依頼したが断られてしまった…」と言うご相談です。お聞きすると、過去には銀行の方から融資を進めに来ていたとのこと。「銀行を儲けさせるだけなので断っていた」とのことですが、中小企業の信用力は決して高くありません。
不測の事態を想定し、資金に余裕を持たせておくことは、財務戦略の基本です。

【事例2】:キャッシュフローの管理ができていないケース 

「売上を貪欲に増やしていたら、忙しいため人を増やしていたら、突然資金繰りが厳しくなってしまった。慌てて資金調達に動いたが銀行から良い返事が得られない…」と言うご相談です。
突然資金繰りが厳しくなるような、資金管理がまともにできていない企業への融資は不安ですので、銀行の対応は当然ネガティブになります。
売上が伸びて忙しくなる事は本来良いことですので、計画的に資金調達に動いていれば、スムーズに調達出来ていたはずです。わずかな事で資金不足に陥りがちな中小企業にとって、キャッシュフローをしっかりと管理することは、必須の財務活動です。

【事例3】:実力以上の返済を行っているケース 

本業の稼ぎ以上の返済を行っている企業様も多く見られます。
手元資金が減少していきますので、当然資金繰りが厳しくなります。
問題は、「自社の返済能力の限界を知らないこと」「借入を早く返したいという意識が強すぎること」
「返済のピッチをなだらかにする方法を知らないこと」などが挙げられます。手元資金が不足してからアクションを起こすのではなく、自社の返済能力を知り、事前に借入金をコントロールしておけば、何ら問題は起きなかった事案と言えます。
繰り返しますが、中小企業は資金力に乏しく、わずかなことで資金不足に陥る危険性を常に抱えています。
財務活動をしっかり行うことで回避できるリスクは多くあります。
財務無策からの脱却を目指しましょう。お手伝い致します。

▶ 『新・税理士』だから受けられた追加融資事例

事業と資金調達は切っても切れない関係があります。特に、仕入れは即金、販売は掛売りで事業を行っている場合、資金調達が出来なければ、たとえ顧客がいても売上を伸ばすことは出来ません。
今回は、設立1年目ながら、積極的な資金調達で事業を拡大している関与先様の事例をご紹介いたします。

◆ご相談の内容
A社の社長様が来所されたのは、約11か月前です。
「衣服類のインターネット通販事業で独立開業したいので、会社の設立と資金調達をサポートして欲しい」との依頼でした。自身で貯めた資本金100万円と、親からの援助金200万円をお持ちでしたので、日本政策金融公庫の創業融資制度で600万円の融資申請を行いました。日本政策金融公庫の回答は、「まずは400万円で様子を見させてください」とのことでしたので、合計700万円の資金で事業をスタートしました。

◆A社のビジネスモデルは、
中国から仕入れた衣服類を国内のネットショップで販売するものです。仕入価格の倍の価格で販売しておりますが、中国からの仕入は先払いです。調達した700万円のうち、500万円程度で初期仕入を行い、2か月をかけて1,000万円の売上をつくりました。次に固定費300万円を差し引いた700万円を仕入れにまわし、さらに2か月で1,400万円の売上をつくりました…もっと大量に仕入ができれば、より大きな売上を作れるという状況でしたが、時間をかけながら少しずつ仕入資金を増やすしか方法はありません。
10か月が経過した頃、月商は1,000万円にまで拡大していましたが、月商の増加に伴い、人件費や広告費などの販管費も膨らんでいました。そして突然、「販管費の支払いを行うと(売掛金を回収するまで)仕入が出来ない」という事態に陥り、社長様が慌ててご相談に来られました。
設立後10か月しか経過していない状況で融資を申し込んだ場合、予想される金融機関からの回答は、「1期決算を終えてから…」というものです。確かな数字を拠りどころとしたい金融機関にとっては当然の回答です。そこで多くの企業は、資金調達を諦め、資金を回すために仕入れのペースを落として(売上のペースを落として)対応せざるを得なくなります。


◆深田税理士事務所では、

まず、決算の品質に近い試算表を作成しました。
そして、顧問税理士事務所である当事務所が、試算表の説明を直接金融機関に対して行いました。
試算表は単なる社内資料であり、数字の正確性が担保されないため、「決算書が出てから…」となりますが、税理士事務所が責任を持って説明することで、そのハードルを越えられる場合があります。


◆次に、

資金繰り実績表を作成し、設立から現在までのお金の流れを明確にしました。お金の流れを明確にすることで、仕入資金が先に出ていくA社の取引の流れが良く分かります。
資金が不足している理由が、赤字の補てんでは無く、売上を伸ばすための前向きな資金であることを正確に理解してもらえます。


◆結果は、

日本政策金融公庫で700万円の追加融資、B信金の保証付き貸出で700万円の新規融資、合計で1,400万円もの資金を調達することが出来ました。1,400万円の仕入資金が調達できれば、月商3,000万円の事業規模に一気にステージを上げることができます。資金調達を諦め、売上のペースを落とさざるを得なかった企業に大きな差をつけることになります。
企業と金融機関の間に税理士事務所が入り、企業の信用を補完するという新しい仕組みを取り入れることで、企業の資金調達力が向上します。また、金融機関にとっても、これまで取り組めなかった融資に取り組めるというメリットが生まれます。
当事務所では、この新しい仕組みづくりを推進しています。
金融機関との円滑な関係構築は、有利な事業展開に欠かせません。
当事務所を上手にご活用ください。

▶ 海外展開資金の調達事例(赤字の飲食店企業が4,000万円を調達)

◆ご相談の経緯
ある飲食店経営者の方が資金調達の相談に来られました。
内容はシンガポールへの出店資金4,000万円の調達です。
状況をお聞きしたところ、「シンガポールのプロジェクトとは別にある駅ビルへの出店プロジェクトが進んでおり、お付き合いしている金融機関とはそちらの案件で融資の話を進めているため、本件の相談はできない」とのことです。よって日本政策金融公庫(国民生活事業)に相談をしてみたところ、「融資枠が上限に達しているため新たな融資は難しい」との回答があったようです。
状況的にはいくつか気になる点がありましたが、社長様の事業に対する熱意や、丁寧な計数管理を行っている様子が伝わりましたので、資金調達のお手伝いをさせて頂くことにしました。

◆企業概要

  • 事業内容:飲食店8店舗経営
  • 業歴:7年
  • 売上高:2億9,000万円
  • 営業赤字:180万円
  • 有利子負債:6,800万円
  • 資本金:100万円
  • 純資産:70万円

◆財務分析
資金調達のご依頼を受けて、当事務所が最初に取り組むのは財務分析です。
返済力がどれぐらいあるか?実態債務超過に陥っていないか?
といった財務状況を調べます。財務分析をした結果、以下の点が分かりました。

  • ポジティブな材料として、営業赤字ではありますが、当社の年間返済可能額は1800万円あることが分かりました。
  • ネガティブな材料として、実態の自己資本は70万円(自己資本比率0.6%)しかなく、企業体力が殆ど無い状況であることが分かりました。
ネガティブに見られると「自己資本が薄く安全性が低い」で終わってしまいますので、何とかこの点を払拭しなければなりません。

◆深田税理士事務所では、
以下のストーリーで説明することにしました。
「当社は元々飲食店のコンサルティングを主事業としてスタートしたため、資本金は100万円と小さく飲食店を経営するには過小資本と言えます。自己資本が薄いことは事実ですが、100万円の元手からスタートして、7年後に1,800万円の返済力を有する企業になったことは、逆に社長様の経営力の高さの表れと言えます。最初は小さな店舗で営業を始め、着実に利益を上げながら、徐々に大きな店舗にシフトをしてきました。
これまで2度店舗を閉鎖したことがありますが、より大きく立地の良い店舗へ移転するためのものであり、赤字による撤退は1度もありません。自己資本の薄さを否定的に捉えるのでは無く、100万円の元手でここまでの事業を作り上げた社長様の経営手腕を評価してもらえないでしょうか。」

◆事業計画書の策定
社長様が漠然と考えておられた事業イメージを基に綿密な計画書を作成しました。金融機関が特に気にする「投資と調達の計画」と「借入金の返済計画」に重点を置き、それぞれの計画を補完する裏付けを示すようにしました。また、海外展開資金とお聞きした時から、政府が進めている「クールジャパン戦略」に連動した日本政策金融公庫の融資制度を利用しようと考えていたため、クールジャパン戦略の目的に沿った事業になるよう、計画段階から気をつけました。

◆金融機関の開拓
日本政策金融公庫の国民生活事業は、融資枠が既に上限に達しているとの事でしたので、日本政策金融公庫の中小企業事業に電話を入れました。連絡は社長様からでは無く、顧問税理士事務所である当事務所から連絡をするようにしています。初めてお話をする担当者でしたが、概略をお話したところ、詳しいお話を聞きたいとのことでアポイントを取り付けました。

◆金融機関との事前打ち合わせ
金融機関は、社長様の熱いお話を聞くよりも、先に財務状況を確認したいというのが本音です。
本件についても、まずは先生だけで財務の状況を説明しに来て欲しいというリクエストでしたので、社長様の了承を得て、決算書類、財務分析シート、事業計画書をお持ちして財務状況と計画の概略を説明しました。
財務分析シートを準備することで、財務のポイントについて短時間で的確に話を進められます。

◆社長面談
事前打ち合わせから数日後に社長面談がありました。事業について熱く語る社長様に対して、金融機関の担当者も私と同じ印象を持って頂けたようです。

◆最終結果
その後、積極的に話を進めて頂き、極めてスムーズに決裁が下りました。営業赤字の企業が4,000万円の資金調達を成功させたと聞くと、何らかの裏技があるのでは?と思われるかもしれませんが、ご説明したことが全てです。元々素晴らしい仕事をされていた社長様の話を丁寧に聞き取り、その内容を金融機関の言葉(数値)に置き換えて資料を作成し、正しい相手を選んで話を進めただけです。

説明不足による誤解が原因で資金調達に苦労している企業様も多いように感じます。
是非、当事務所のサービスをご活用ください。


▶ 足元の業績が悪化しているが提携保証で倒産回避資金を調達!

業績が(一時的に)悪化している企業様が、CSファンド保証を利用し、倒産回避資金を調達した事例を紹介します。
飲食店を複数店経営するA社は、長年堅調な業績を維持してきましたが、ある原因により足元の業績が急速に悪化しており、今期は赤字決算が免れない状況です。
社長様は、赤字店舗を閉鎖すべきか、リニューアルすべきかについて迷っておられました。
いずれにしても半年ほど様子を見てから決定したいが、店舗をリニューアルするのであれば借入が必要になります。その際に調達は可能かとの相談でした。
半年後には赤字決算が確定しているため、リニューアル資金の調達は簡単ではなくなります。
最悪の場合を想定して、半年後では無く、今、倒産回避資金を調達することを提案しました。
当事務所の提案に社長様は少し戸惑っておられました。理由は、「今すぐに資金が必要な訳では無いので、借入が無駄になってしまうのではないか。」という心配です。
論理的に考えてみます。

◆倒産回避資金を調達しなかった場合

【シナリオ1】

・半年後に業績が回復しリニューアルをする必要も無くなった。
→楽観的なシナリオです。実現の保証はありません。

【シナリオ2】

・業績は回復しないがリニューアル資金は調達できた。
→リニューアルすれば必ず業績が回復するという保証はありません。

【シナリオ3】

・業績が回復せずリニューアル資金も調達できなかった。
→十分に考えられるシナリオです。この場合の選択肢は閉店のみです。
 資金的な余裕もないため、他店のてこ入れなど再建策を講じることもできません。
 一気に経営は悪化して最悪の場合は倒産です。


◆倒産回避資金を調達した場合

【シナリオ1】

・半年後に業績が回復しリニューアルをする必要が無くなった。
→最高のシナリオです。但し金利が余分な費用となります。

【シナリオ2】

・業績は回復しないがリニューアル資金は調達できた。
→リニューアルをしても業績が回復しない場合に倒産回避資金が役に立ちます。
 業績が回復すれば金利が余分な費用となります。

【シナリオ3】

・業績が回復せずリニューアル資金も調達できなかった。
→倒産回避資金が役に立ちます。資金的には余裕がありますので、落ち着いて次の打ち手を考えることができます。
倒産回避資金を調達した場合、金利が無駄になる可能性がありますが、調達しない場合は最悪倒産です。A社の社長様もようやくご理解いただき、まず倒産回避資金を調達することにしました。
この様なケースで力を発揮するのがCSファンド保証です。

◆CSファンド保証とは、
保証協会が特定の金融機関と提携して用意している保証枠で、審査は過去2期分の決算書を基にスコアリングで行われます。足元の業績が加味されない点がポイントです。
A社のように足元が赤字かつ将来の悪化が懸念される場合でも、過去の業績が堅調であれば審査を通過することができます。
一般の審査では、足元の業績悪化を理由に断られる可能性があります。
A社はとりあえず最悪のケースに備えることが出来ました。半年後に状況を見極め、必要であればリニューアル資金の調達に挑戦する予定です。経営者は、第一に会社をつぶさない努力が必要です。
将来の見通しに少しでも不安があれば、すぐに対策を講じましょう。

▶ 飲食店のM&A資金調達事例!

飲食店舗の買収資金を調達した事例をご紹介します。
イタリアンレストランを3店舗運営しているD社の社長様より、「もっと早いスピードで出店をしていきたいが、なかなか店長が育たなくて…」とのお話がありました。私は、ご縁があればM&A等も検討してみてはどうかと提案しました。
M&Aと言っても、近年は小規模の売買事例も多くあり、中小企業でも活発に取引されるようになっております。資金運用の選択肢のひとつとして、M&Aによる買収を検討することは今後ますます増えるでしょう。
数か月後、社長様から「購入したい店舗があるので手伝って欲しい。」との連絡が入りました。

◆D社の概要
年商:約160百万円
経常利益:約2百万円
※減価償却費6百万円

◆買収対象店舗の概要
業態:イタリアンレストラン
年商:約60百万円
償却前営業利益:3百万円
売却金額:15百万円(店舗保証金5百万円含む)
店舗の売却を希望しているのは、ITを本業とするS社です。
事業拡大のため3年前に飲食事業に進出したものの、思う様に利益を出せないので撤退したいとのことです。
D社の社長様の希望で、買収金額15百万円と運転資金5百万円の合計20百万円を銀行に申し込むことになりました。M&A資金の融資について、金融機関はどのように考えるのでしょうか。
新規出店の売上計画はあくまでも見込みですが、店舗買収の場合は実績があります。
既存の売上をベースにした売上計画であれば、新規出店よりも確実性が高い計画であると判断できます。但し、売上が現状よりも大幅に増加するという計画に対しては、新規出店の時と同様、根拠を示さなければなりません。
利益計画については、原価や販管費の削減余地を示すことで実現可能性の高い計画となります。
売上は相手次第ですが、経費はある程度自身でコントロールできるからです。D社の社長様は原価と人件費に目をつけました。自身が経営しているレストランの仕入価格で計算すると、原価率は3%下がる、また、シフト管理をしっかりと行うだけで、人件費を10%削減できる、と考えておられました。

◆買収後の見込み
年商:60百万円(現状どおり)
償却前営業利益:6.4百万円
※原価率 3%の低減により1.8百万円の利益増
※人件費10%の削減により1.6百万円の利益増
新規出店の計画よりも実現の可能性は高いと思われます。返済についても、5年返済で年間4百万円の元金支払いですので、利息を含めても十分に返済が可能な計画です。申込の結果、満額の20百万円を調達することが出来ました。
D社の社長様は規模の拡大を目指しておられます。規模の拡大は、仕入価格を下げる事ができ、人員を効率的に運用することができ、さらには良い立地を確保できるようになります。もちろん規模の拡大を全て肯定している訳ではありませんが、「資金調達とM&A」という財務戦略も、これからの中小企業には重要になるかもしれません。


▶ 経営改善計画書で融資の回収を防いだ事例!

経営改善計画書の作成により融資の回収を防ぐことが出来た事例をご紹介します。
建設関連業を営むB社様より、「銀行から追加担保の差し入れ、もしくは借入の一部返済を打診されている。
突然差し押さえなどされないか心配だ。」との相談がありました。

◆B社の概要
年商:約400百万円
利益:直近営業赤字 約20百万円
債務超過額:約100百万円
借入総額:約200百万円
※借入は保証協会の保証と不動産担保にて調達。
※資金繰りが厳しいためリスケを申し込み、現在は金利のみの支払い。
2期連続で大幅な赤字を計上しており、今期も赤字にて推移中のところ、銀行の担当者から冒頭の話があったとのことです。
業績が悪化した時の銀行対応を熟知している社長様は多く無いでしょう。銀行の担当者が発する言葉の背景が分からないため、つい余計なことを想像してしまいます。B社の社長様も、不安で夜も寝られないご様子でした。
本件の対応方法を解説します。

◆1:まず、契約の内容について理解しましょう。
・条件変更契約は立派な契約ですので、(たとえ利払いのみでも)契約の履行中は差し押さえなどの強硬な回収はできません。ご安心ください。

◆2:銀行が追加担保の差し入れや借入の一部返済を迫ってくる背景を理解しましょう。
・本件に至った原因は、B社様の銀行格付が下がったことにあります。格付が下がると、銀行はB社様に対する貸出のうち、保証協会の保証や不動産担保で保全されていない部分について大幅な引当金を積む必要が出てきます。銀行の本当の目的は、決してB社の融資を回収することでは無く、引当てを免れることです。
銀行員はそのあたりの背景を説明しませんが、相手の目的がわかればそれ以上の心配をする必要はありません。

◆3:具体的な対応策は以下になります。
・銀行の依頼に従って追加担保を差し入れたり、一部返済を行ったりしなくても、事業計画書(経営改善計画書)を作成することで解決できました。
B社の社長様は、計画書など何の意味も無いと考えておられましたが、B社様に意味は無くても、銀行にとっては大変な意味があります。銀行は、経営改善計画書があれば格付を下げなくて済むからです。格付が維持できれば、銀行は引当金を積む必要がなくなり、B社に対して融資の回収を迫る必要も無くなります。
経営改善計画書はB社と銀行をWINWINの関係にします。
経営改善計画書の策定については、いくつかのポイントがあります。お気軽にご相談ください。

▶ 粉飾決算が疑われてNG!金融機関はこうして見破ります!

決算書の信ぴょう性に疑義があることを理由に、銀行から融資を受けられなかった事例をご紹介します。
建設業を営むM社様より、資金繰りが厳しいため融資を受けたいとの相談がありました。

◆M社の概要
年商:約45百万円
利益:トントン
借入:3百万円(日本政策金融公庫)
社長様にお話をお聞きすると、常に資金繰りが厳しい状況ではあるが、借入が嫌いなので出来るだけ自己資金で対応をしてきたとのこと。借入も3年前に日本政策金融公庫から折り返しの融資を受けたのが最後で、それ以降は借入をしていないとのことでした。
大幅な赤字もなく借入も少ないので、一見するとそれほど資金調達が難しいようには見えません。
しかしながら、良く見てみると不自然な点がいくつか浮かびあがってきました。
・過去3期ともに利益の額が計ったように数万円の黒字か赤字。
・過去の粗利率の推移を見てみると、35%の年もあれば65%の年もあり、変動幅が大きい。
結果である利益が、毎期売上高の0.5%内に収まるというのはあまり考えられない偶然です。
また、同じ事業を継続している中で、特段の理由もなく粗利率が30%も変動することは一般的に考えられません。銀行の担当者も「(粉飾をしているかどうか)真相は分かりませんが、不自然な点が多すぎるので取扱は難しいですね…」と言って検討すらしてもらえませんでした。
社長様に率直に質問をぶつけてみたところ、「税金を払いたくなかった」という回答が返ってきました。厳密に言うと、税金を払いたい気持ちはもちろんあるが、資金繰りが厳しくてどうしても払えない。だからやむを得ず売上を操作したとのことです。

◆M社の社長様は、
法令違反を犯していることはもちろん、経営上も大きな間違いを犯しています。
過去の利益の実態を見ると、しっかりと利益が出ていた年もあります正しく決算書を作成していれば、容易に資金調達が出来たはずです。資金調達の可能性を自ら閉ざし、経営の幅を狭くしています。資金調達を行ってでも納めるべき税金をしっかりと納めていた方が、その後の経営の幅が拡がります。
社長様は、
「そうした方が良いと分かってはいたが、銀行に頭を下げたり、資料を提出したりするのが苦手で、ついつい…」とおっしゃっていました。


◆確かに

銀行対応が苦手で資金調達が後手に回っている経営者様も少なくないように感じます。
M社様についても、1年前にお会いできていれば何とかできたと思います。深刻な事態に陥る前にご相談ください。


▶ 他行借換えによるリスケ解消の事例

◆ご相談内容
資金繰りに余裕を持たせたいが、現在リスケジュールを行っており新規借入が出来ない。
「どうすれば良いか?」とのご相談。

◆K社様の状況
直近売上60百万円、純利益赤字だが、売上・利益ともに回復基調にあり、減価償却不足はありません。
減価償却を勘案すると返済原資はあります。
役員報酬の未払い、役員からの借入金があり、実質自己資本とみなせます。
簿価60百万円の工場(不動産)があり、担保評価は加算できそうです。
保証協会保証付きの信用金庫借入れと日本政策金融公庫合わせて97百万円の借入れがありますが、リスケ中(月額51万円返済中)です。

◆深田税理士事務所の対応
現在のキャッシュフローで返済可能な「超長期借入」へ借換えし、リスケの正常化を図ることが出来ると判断しました。
正常化と同時に新たな資金調達が可能と判断しました。
資金繰り計画書や事業計画書などの資料の作成、及び金融機関のコーディネート、説明補助を行いました。

◆結果
新規の信用金庫で、不動産担保付プロパー融資80百万円と保証協会保証付き融資12百万円を実行しました。
リスケ先の信保証協会保証付き融資88百万円を全額返済しました。これによりリスケは解消、また、手残り4百万円の資金調達を実行できました。
日本政策金融公庫も4百万円の増額で新規契約にまき直しました。
リスケ正常化と資金調達(手残り純増額)8百万円を同時に実行できました。
月額返済額は61万円となり、リスケ時51万円から10万円の増加に留まりました。


創業相談事例集

▶ 日本政策金融公庫の創業融資事例…自己資金要件緩和後の現場の実態をレポート!

◆今年から
日本政策金融公庫の創業融資の自己資金要件が緩和されました。
従来は総事業費の3分の1以上の自己資金を有していることが条件でしたが、現在は10分の1に大きく緩和されています。
しかし、実際の運用面では、100万円の自己資金で900万円の創業融資を受けられる確率は低く、従来どおり3分の1の自己資金が目安となっているようです。
この様な状況下において新基準で融資を受けられたケースをご紹介します。
当事務所にて関与させて頂いた飲食店の独立開業案件です。300万円の自己資金で1,000万円の創業融資を受けました。

◆ご相談の経緯
当事務所の関与先であるM社に勤務するKさんから、独立開業のご相談がありました。
M社は飲食店を複数店舗経営しており、KさんはS店の店長を務めています。
「500万円の貯蓄はあるが、全額を事業につぎ込むのは不安がある。300万円だけ事業資金とし残りは融資を受けたい。いくらぐらい融資を受けられそうか?」との質問でした。
Kさんが当初考えていた総事業費は、運転資金も含めて1,500万円でした。よって1,200万円が必要調達額となります。
新基準に照らし合わせた表面上の借入可能額は2,700万円となりますが、実態は従来どおり自己資金の2倍程度までしか融資が出ないケースが殆どです。
実情をお伝えし、借入金を600万円に抑え、自己資金300万円とあわせて900万円で事業構想を練り直してみてはとご提案しました。Kさんは構想を練り直しましたが、結論は、やはり900万円では満足のいく店舗が作れないとのことでした。

◆そもそも、
なぜ自己資金の要件があるのでしょうか?いくつか理由はありますが、売上が本当に立つかどうかも分からない新規事業に対して、返済が必要な借入金よりも、返済不要な自己資金を充てた方が安全だからです。では、既に売上や利益の実績がある店舗の買収ならばどうでしょう。
新規事業に比べて各段に事業リスクは下がります。
自己資金の必要性も低くなります。
K氏と相談し、新店舗ではなく、K氏が現在店長を務める店舗を買い取る計画に切り替えました。
元々3,000万円程度の資金を投入している店舗で、K氏はオープン当初から10年近く店長を務めています。功労者であるK氏の申し出に対し、社長は前向きに検討してくださいました。
結果、店舗設備及び権利を720万円で売却してもらえることになりました。

◆最終的な投資及び調達の計画
【投資計画】
店舗敷金   180万円
店舗買収資金 720万円
店舗改装費  150万円
運転資金   250万円
 投資合計   1,300万円 
【調達計画】
自己資金   300万円
借入     1,000万円
 調達合計   1,300万円 
日本政策金融公庫との面談時に、やはり、総事業費に対する自己資金の少なさが指摘されました。
対象店舗の過去2期分の損益実績を提出し、1,000万円の返済が十分に可能であることを説明した結果、自己資金の3倍強となる1,000万円の融資を受けることに成功しました。


▶ 飲食店を創業したばかりですぐに2店舗目の出店資金700万円を調達!

飲食店を開業してすぐに2店舗目の出店資金を調達したC社の事例をご紹介します。

◆ご相談の内容
C社のM社長は、自分で貯めた資金450万円を資本金にして会社を設立、追加で親御様から650万円の援助を受け、かつ500万円のリースを使い、計1,600万円にて飲食店を開業しました。
出店してからわずか3ヶ月後、ある商業施設から有利な条件で出店の誘いを受けました。
M社長は是が非でも出店したいが、新規出店したばかりで自己資金がありません。
「自己資金が無くても借り入れは可能でしょうか?」というご相談です。

◆2店舗目出店の概要
【総事業費】
物件取得費 134万円
内装工事費 1,100万円
厨房機器  500万円
什器備品  120万円
運転資金  246万円
 合計    2,100万円 
【調達計画】
自己資金  0万円
家主負担金 900万円
リース   500万円
借入    700万円
 合計    2,100万円 


◆申込の結果

日本政策金融公庫の新創業融資制度の自己資金の要件を見てみると、「創業時において創業資金総額の3分の1以上の自己資金を確認できる方」となっております。
ポイントは、「創業時において」という部分です。このケースでいくと、2店舗目の出店時では無く、1店舗目の出店時に、総事業費の3分の1の自己資金を有していたかということになります。
1店舗目の総事業費1,600万円に対して、自己資金が450万円となり3分の1に届きませんが、親御様からの支援金を自己資金としてみなしてもらうことでクリアしています。結果は、日本政策金融公庫より無事に700万円を借り入れることができました。


◆絶対条件は事業性です。

新創業融資は、創業後でも2期目の申告を終えるまでの間は利用可能です。まずは制度を正しく理解し、スタートラインに立てるチャンスを逃さないようにしましょう。しかし、実際には、自己資金がゼロで審査を通過するのは簡単ではありません。
C社についても計画の入念な作り込みを行い、実現性の高い計画書にまとめたうえで審査に臨みました。審査に通るか否かの絶対条件は、あくまでも事業性です。

▶ 政策公庫と信用金庫にてカフェ開業資金1,000万円を調達!

日本政策金融公庫にカフェの開業資金を申し込んでいるが、苦戦をしているためサポートして欲しいとの相談がありました。苦戦をしている理由は、自己資金が本人のものであるかどうか疑わしいとの事です。
創業資金借入の王道は政策公庫です。政策公庫で調達が出来ないとなると極端に創業資金の調達は難しくなります。
保証協会の保証付き融資という方法もありますが、政策公庫に比べるとハードルは上がります。

◆状況を確認するために、
お客様と一緒に政策公庫の担当者を訪問したところ、やはり否定的な対応で取り付く島も無い状況でした。いくつかのポイントはあるにせよ、そこまでネガティブになる案件ではありませんでしたので、なぜ担当者がそこまで意固地になっているかは分かりませんでした。入口で何らかのボタンの掛け違いがあったのでしょう。
このまま公庫に説明を続けても突破口は開けないと考え、戦略を変えて信用金庫に相談することにしました。政策公庫で1千万円を調達する計画から、政策公庫で5百万円、信用金庫で5百万を調達する計画への変更です。

◆まず、
出店予定地から一番近くにある◇◇◇◇信用金庫に、飛び込みで融資の申し込みに行きました。
審査の結果、政策公庫の融資実行条件付きで、5百万円のプロパー融資が決定しました。その後、その結果を持って再度政策公庫に訪問したところ、以前とは全く違う対応になりました。

◆本件のポイントは、
先に◇◇◇◇信用金庫の融資を取り付けた点です。何の面識もなかった◇◇◇◇信用金庫に飛び込みで融資の申し込みに行き、なぜ、プロパー融資を受けることができたのでしょうか。
信用金庫は、近隣の店舗であれば、お店の売上金を入金することを条件に、創業でも融資を出すケースがあります。
また、他行の融資実行条件付であれば、比較的決裁はおろしやすくなるようです。信用金庫によっては、近隣の店舗向けに創業融資の商品を用意しているところもあります。

融資の申込は、入口でこじれてしまうとリカバリーが大変難しくなります。
出来るだけ早い段階でご相談ください。


▶ 日本政策金融公庫の創業融資NG!保証協会の創業融資で満額調達!

創業者に優しい日本政策金融公庫の創業融資基準では融資を受けられず、
日本政策金融公庫よりも少しハードルの高い保証協会の保証付き創業融資を満額受けられた事例を紹介いたします。
金融機関には、それぞれ独自の判断基準があります。状況に応じて上手にお付き合いしましょう。

◆Sさんは
飲食店を開業することが長年の夢であり、夢の実現のために着々と準備を進めてきました。
学校を卒業してからすぐに飲食業界に入り、15年間、料理からマネジメントまで多くの経験を積んできました。政策公庫の審査ポイントである業界経験は十分にあります。
また、お店を開くための資金も少しずつ貯めてきました。
政策公庫の申し込み要件である総事業費の3分の1の自己資金も有しています。
さらに、自宅で開業したいと考えていたため、立地などを入念に調べたうえで、5年前に3階建てのマイホームを3,000万円で購入しました。購入にあたっては住宅ローンを組んでいます。
いよいよ独立の環境が整い、自宅の1階で飲食店を開業する計画で政策公庫に創業融資を申し込みました。

◆申込の概要
【総事業費】
内装工事費  400万円
厨房設備   200万円
備品等    100万円
運転資金   200万円
 合計     900万円 

【調達計画】
自己資金   300万円
借入     600万円
 合計     900万円 
業界経験、総事業費の3分の1の自己資金など、政策公庫の申し込み要件は十分にクリアしているものと思われましたが、政策公庫の見解は違いました。「自宅の3分の1を店舗にするのだから、自宅の購入に要した金額の3分の1(1,000万円)を総事業費に含まなければいけない。
そう考えると総事業費が1,900万円となり、自己資金の要件が満たされていないと判断する。」という回答でした。
政策公庫の担当者も、「賃貸物件で出店するよりも自己所有物件で出店した方が明らかに安全性は高いと思いますけど、どうしてもこのような見方になってしまうんですよね…」と苦笑いされておられました。貸し手の要件ですので仕方ありません。

◆一方、
保証協会の考え方は、住宅ローン返済額の2年分を自己資金から控除しますが、総事業費についてはこちらのプラン通りで結構ですとのことでした。
保証協会の創業融資は自己資金の5倍まで保証して頂けるので、住宅ローン控除後の自己資金1,320千円×5倍>6,000千円となり、無事に満額を調達することが出来ました。
自分なりにしっかりと準備を進めているつもりでも、思わぬところに落とし穴がある場合があります。
繰り返しますが、金融機関には、それぞれ独自の判断基準があります。
銀行対応の専門家である当事務所に相談してください。


『新・税理士』活用事例集

▶ 想像してください!貴社に財務部長が居ればこうなります。

深田税理士事務所の銀行融資プランナーは税務のみならず、財務・金融のスキルで関与先の様々な財務・金融事案に対応しています。今回は、その事例の一部をご紹介します。
財務部長(代理)としての様々な役割
社長と財務部長(当事務所)の様々なやり取りシーンを記載します。

事例1

建設業経営者『今後、公共事業をより積極的に受注したい。』
財務部長『売上代金の受取サイトが長くなりますね。増加運転資金の調達が必要ですので金融機関と調整します。社長は受注に励んでください。』

事例2

飲食業経営者『居ぬきの良い物件が見つかったので、買い取って出店したい。』
財務部長『諸々資金が必要ですね。計画を作って、金融機関と調整してみます。少し待ってください。』

事例3

運送業経営者『倉庫の家賃もばかにならない。倉庫を買い取って自社物件にしたらどうかと思うが?』
財務部長『どちらが得かの収支をシミュレーションしてみます。シミュレーションの結果を持参しますので、判断してください。』

事例4

サービス
業経営者
『社員の定着率を上げるためにも、給料のベースアップが必要だ。○○ぐらい昇給したいが、収益と資金繰りは大丈夫かな?』
財務部長『社長の想定に合わせて、収支と資金繰りをシミュレーションしてみますのでご判断ください。』

事例5

貴社に優秀な財務部長が居れば、社長がやりたいことに対して、収支と資金繰りのシミュレーション及び金融機関対応をしてくれます。極めて有益です。

事例6

財務部長『売り上げが伸びています。追加で運転資金を○○ぐらい調達したいのですがよろしいですか?』
経営者『頼むよ。』
財務部長『金融機関との調整が終了した時点で、一度金融機関に同行してください。お願いします。』

事例7

財務部長『業績改善に努めていますが、もう少し時間が必要です。新たな借入れに関して金融機関はネガティブです。一旦、リ・スケジュール(返済猶予)を行って、資金的な余裕を確保したいのですが、いかがですか?』
経営者『そんなことができるの?』
財務部長『社長の了解をいただけるなら、金融機関との調整に入ります。都度ご相談します。』

事例8

財務部長『今月から向こう6か月後までの資金繰りの状況は・・・・・です。ご確認ください。』
経営者『大丈夫だね。』
財務部長『問題はないと考えます。来月もご報告しますので、確認ください。社長は資金繰りを気にせずに営業(経営)に邁進してください。』
経営者
『資金繰りへの安心感は大きいよ。ありがとう。』
貴社に優秀な財務部長が居れば、会社の資金状況を確認しながら、察して上記のような対応を行ってくれます。極めて有益ですが、中小零細企業や創業者が、上記のような財務部長を雇い入れることは、コスト的に現実的ではありません。また、対応頻度もそう多くないため、宝の持ち腐れにもなりかねません。

当事務所の銀行融資プランナー『新・税理士』が、貴社の財務部長的な役割を担います!